色弱者用の補正レンズ開発「不幸な事故なくす一助に」

 氷上町井中の足立公さん(57)が、色弱者用補正レンズの開発、販売会社「ネオ・ダルトン」を立ち上げた。開発した補正レンズは、色弱者の多くが苦手とする緑と赤の見分けを容易にするために、目に入る光の量を調節し、本来の色の見え方に近づける。色弱者は世界に2億5000万人、国内に200万人いるとされているが、色で判断する看板や標識、鉄道路線図などは、色弱者にとっては識別が困難で、職場や地域社会で事故につながるケースもある。自身も色弱の足立さんは、「暮らしやすい社会のために、検査の必要性も訴えていきたい」と話している。
 

 中国の吉林大学医学部名誉教授の陳暁光さん、 ニューヨークで眼科医を開業する新名美次さんの理論を取り入れ、 色弱者が見えている色のバランスを測る検査機械を共同開発、 レンズと合わせて海外市場へも売り込む。 レンズ一対で7万3500円。
 

 これまでの色弱者用レンズは、 赤と緑の関係を調節するだけのもので、 他の色の見え方にまで影響を与えていたという。 同社は、 光の三原色に基づく考え方で開発した検査機械で、 その人の色の見え方を測定。 それに合わせて、 特定の光の量を調節し、 感度の強い緑を抑え、 感度の弱い赤にそろえるコーティング技術をレンズに施し、 「その人がもっている色の世界を崩さずに識別できるようになる」 という。
 

 足立さんによると、日本では大正時代から学校で色覚検査が行われ、異常のある場合は、学籍簿に記載されていた。また、医師、薬剤師、化学者、印刷業者などは、「色盲者に不適当な職業」とされてきた。

 近年、就職の際に色覚障がい者の多くが書類選考の段階で不採用になったことが問題になり、社会的差別をなくすため(文部科学省の見解)、1995年に学籍簿への記載が廃止、2002年度には検査が廃止された。
 

 足立さんは、色覚障がいであるために職業選択の自由が奪われてはならないが、特に人命にかかわる業種に就く人に対しては、早い段階で検査はすべきだと指摘。「視力の弱い人がめがねをかけるように、色弱者がそれを補正するレンズをかければ解決する』と話す。
 

 検査の廃止以降に生まれた「無自覚の色覚障がい者」が社会で働く現状に、「人命にかかわる仕事に就き、色覚障害がいが原因で重大な事故を起こすことも不幸だし、それに巻き込まれる人たちも不幸。社会の課題としてとらえ、先の不幸をなくす一助になれば」と話している。


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