色覚異常の98%は補正可能 色の制限を越えて可能性を開く

mrpartners.jpg かつては小学校などでの健康診断時に、色覚検査が行われていた。そこで色覚異常かどうかが判断されていたが、2003年からは検査項目から外されることになった。
この色覚異常は男性の場合だと概ね20人に1人、女性は400~450人に1人、女性の場合は保因者が10人に1人という確立で存在する。

色覚検査が無くなったので、自分自身色覚異常と分からないまま、もしくは色覚に違和感を抱えたまま生活することになる。現在は就職時に色覚での問題で採用制限するところは少なくなってはいるが、現実には印刷業やアパレル関係等、色彩を扱う職業に拘らず、様々な分野で障害になったり、不利になる場合が多い。『色覚補正レンズ』の存在は、治療の方法のない色覚異常の人にとって希望につながることは間違いない。今回取材を行った「ネオ・ダルトン」の『色覚補正レンズ』の技術は、他に類を見ない。
 

 実は取材を行った本誌スタッフMは小学校の頃に色覚検査で色覚異常と判断された。就職活動時には、それが原因で面接を受けられなかったこともあった。色覚異常は一般的には色が判断できず、全体にグレーに見えるのではないかとも思われているが、実際には様々なパターンがある。Mは緑色の感度が良く、赤が認識しづらいというパターンだった。日常的に信号の色が見づらいなど生活に違和感があったという。色覚異常と知らされて「普通の人には虹はどう見えているのだろう」、Mはそんな想いを抱いていたのだ。Mの友達は近眼であることが分かり、メガネをつくった。しかしMha色覚異常と判断されても近眼のように補正できないのはなぜか。それをずっと疑問に思っていた。
 

 取材先の「ネオ・ダルトン」では、色覚異常者用の「補正レンズ」と「色感度測定器」を扱っている。この「補正レンズ」は近眼などに使われるレンズのように焦点を合わせるのではなく、光干渉現象を利用したもので、多様な色覚異常者の目に合った色の透過率になるように光をコントロールするレンズを使う。「色感度測定器」は色覚異常者に合った「補正レンズ」を測定するための器械で、従来は緑と赤だけで測定していたが、同社のものは光の3原色で色感比率をより正確に求めることが出来るというもの。「補正レンズ」開発の背景となった理論は、2011年の全米眼科医学会で発表され、日本でも話題となった。
 

 現在、この色覚異常者用の「補正レンズ」は、すでに約2万人の方に利用されている。32種類の「補正レンズ」が開発されているが、色覚異常者の98%はその12種類で補正が可能だという。その98%に該当するMは、自分に適した「補正レンズ」を試させてもらった。Mはカウンセリングにより選ばれた「補正レンズ」をかけてみる。小学校の時の色覚検査表を見ると、ナントあの時読めなかったものが読める。風景は鮮やかに見える。今まで感じていた世界が違った世界として感じられたMは感動したという。
 

 「私と同じような多くの方々に、この技術を知って欲しい。私も早速注文して、虹を見るのを楽しみにしています」と取材後に話してくれた。
(ライター/本名広男)


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